勝手に人物紹介!
記念すべき第一弾は、
呼吸器シンガー 相羽崇巨さん
私が尊敬するアーティストであり、大切な友人でもあります。
僕は正直、障がい者ががんばってるんやで!という御涙頂戴のものは嫌いです。
そして相羽崇巨という人間を、そういった目線で見ることはオススメしません。
相羽崇巨は、圧倒的行動力の人
きっかけ
相羽崇巨さんを知ったのは、七尾旅人さんが主催する配信イベント「LIFE HOUSE」を通じてでした。
「if you just smile」という素晴らしい曲が生まれるきっかけとなった相羽崇巨という人間に興味を持ちました。
youtube配信内での
彼のうたの中に現れる「優しさと儚さが同居する歌詞」に心を奪われました。
そして「あたりまえの自由」という朗読を聴き、感激のあまり涙がこぼれました。
あたりまえの自由
あたりまえの自由
手を繋ぐある家族の帰り道に
秋の風にふかれて、たんぽぽが笑っていた
月並みの川辺に住むザリガニたちにも その声は響いている
自由な犬の遠吠えさえもなんだか
楽しそうになびいている そのあたりまえの日々には何かがたりない
誰かがいない あの子が見当たらない その平々凡々が その幸せが 忽然と かすんでゆく
自由を奪われた青空がなみだを流し
その悲しみのしずくが自由の根を枯らしていく どこにも生き場のない羽のない蝶々は
なんとか広い世界の向こうへ飛んでゆく それを観て世界は終わっていないのだと我にかえる
自由は不自由と隣り合わせで
いつも鏡のように錯覚を起こしているどうか心だけは自由でいてくれ どうか世界が広いままであってくれ
どうか正しさを歪まないでくれ翼のはえたあの子をかえしてほしい。 どうか。どうか。あの子を
あるとき 笑い声の響き渡るあの街に 秋のあの風景が帰ってきた
もう二度とはなさないと誓う 月明かりのしたで
あたりまえの自由 /相羽崇巨
動画だともっと染み入ります
最高にかっこいい。できればこの場に居合わせたかった、、、
特徴
相羽崇巨さんの特徴を端的に表すと
優しさ、儚さ、強さ、行動力
という言葉になります。
それぞれを説明していきます。
優しさと儚さが同居する理由
優しさは、彼が生まれ持った強さであり、成長の過程で培っていったものだと感じました。
そして儚さは、彼自身が生まれつき筋ジストロフィーという進行性の病気を抱えていることに因るものでしょう。
筋ジストロフィー
筋ジストロフィーは、身体の筋肉が壊れやすく、再生されにくいという症状をもつ、たくさんの疾患の総称です。平成27年7月から、指定難病となっています。
我が国の筋ジストロフィーの患者数は、約25,400人(推計)です。
一般社団法人 日本筋ジストロフィー協会
https://www.jmda.or.jp/what-muscular-dystrophy/
筋ジストロフィーのおかげで、彼は普通学校に通っていたのに、途中で支援学校へと強制的に移されることとなりました。本人の意思とは別に。
この経験が、「あたりまえの自由」という素晴らしい詩として花開くことになりました。
ここで少し、私自身の経験を
私は大阪の豊中市というところに生まれ育ちました。
のちに県外の大学に通っていたとき、授業で知ったのですが、
豊中市というところは特殊な市で、全国的に、障がい者は特別支援学校に通わせよう!という国の指針にNO!をつきつけた、日本でただ一つの市です。
私は知らなかった事実ですが、実感はしていました。
私の通った小学校、中学校までは、いわゆる障がい者たちも、あたりまえに一緒に学校に通っていました。
もちろん、親が望めば通えるということなので、支援学校を望めば支援学校に通うこともできました。
学年には必ず一定数の障がいを抱えた子どもたちがいました。
ともにすべての授業を受けていました。
一人での受講が困難な子どもには必ず、持ち回りで先生が付き添っていました。
それが、僕の日常であったのです。
あれ?と違和感を感じたのは高校進学後。
あれ?あの子がいない
義務教育終了後は、本当に見かけなくなってしまったのです。
そして県外の大学進学後に豊中市の特異性(これはむしろ特異ではなく、あたりまえになるべきだと強く思っています。)を知り、そういうことかと納得がいきました。
そして僕は「富山型デイサービス」でのボランティアを通じて、あの子に再び会うことができるようになりましたが、それはまた別のお話。
さて、閑話休題
ふたたび彼の特徴について触れていきます。
強さ
圧倒的行動力にも表れる彼の強さは、一体どこから来たのでしょうか。
彼は実際に何度か死ぬ思いをくぐり抜けてきました。
そして、そこから立ちあがってきました。
この26年間 病気が原因で、何度も 命が亡くなりそうになる経験をしました。
3度の肺炎(一度は呼吸困難になり意識不明の重体に)20歳の時、浅い呼吸で心臓に負荷をかけていたことが原因で心不全と診断され余命1か月と宣告される(北海道の筋ジスの専門の八雲病院にて最後の望みをかけ呼吸器の装着と薬用治療を行い奇跡的に回復)
2年前の7月移動用リフトから落下、頭部から大量出血し緊急搬送。頭部を5針縫う大怪我でも異常なし。
https://camp-fire.jp/projects/view/302180 より
そう、彼は持ち前の強さを発揮して何度も何度も復活し、そして
本当の自分で生きていくことを決めました
かつて恥ずかしさが伴っていた「呼吸器」を受け入れ、
さらには「筋ジストロフィー」という病すらも「個性」として認めたのです。
本当の自分で生きていくことを決めた人間は、強いものです。周りに何を言われようとも、地に足がついている。
と思いきや、彼はそれ以前から行動力があったことを知りました
芸術系の専門学校に、いわゆるしょうがい者として初めて入校(しかも一度断られてからのリベンジ!)
- 詩の朗読活動
- イベント立ち上げ
- 大好きなライブハウス通い
など、すでに驚くべき行動力の人間であったのです。
そして自分を受け入れたことにより行動力は、
圧倒的行動力として進化しました。
そして、七尾旅人さんとの出会いをきっかけに
「筋ジスの詩人」から、
「呼吸器シンガー」へと進化しました
現在もYou Tubeで、「If You Just Smile」というイベントを精力的に発信中です。
さらに
勢いは止まらず、クラウドファンディングにて、ファーストアルバム「花笑みの日々に」を製作中です。(記事が間に合わず、終了してしまいました。すみません、、、)
まとめ
さて、今回は
「勝手に人物紹介」
と銘打って
「呼吸器シンガー、相羽崇巨さん」
を紹介しました。
最後に
少しセンシティブな内容となってしまいますので悩んだのですが、
避けては通れない事実でもあるので、記すことにします。
現時点で、筋ジストロフィーという病は進行性があり、特効薬なども存在はしません。
すなわち、今この瞬間も、病は進行しているということです。
いつか、活動を続けることが困難なときが訪れるかもしれません。
しかし、彼はものすごい密度で今を生きています。
自分がほんとうに「やりたいこと」を全力でやっています。
私は彼こそが、ほんとうの意味で「生きている」のだと強く思います。
そしてこのことが、人々をハッとさせる
儚さ
という彼特有の魅力に繋がっているのだと思います。
今後
彼がこの圧倒的行動力で、いったいどこまで行ってしまうのか。
今後の活躍がとても楽しみでなりません。
目指せフジロック!!(大まじめ)
絶対行けると思います。
想いを持って行動し続ければ、きっと叶う。
そう、BirthCryのように
相羽崇巨さん公式サイト:
今日の1曲↓
わたしが大好きなこの1曲
この曲は、まるで相羽崇巨さんのことを歌っているかのように思えます。
もしもあなたが 雨に濡れ
言い訳さえも できないほどに
何かに深く 傷付いたなら
せめて私は 手を結び
風に綻ぶ 花になりたいもしもあなたの 夢破れ
行き先のない 日々は暮れゆき
信じることさえできなくなれば
せめて私が 声にして
明日に揺蕩う 歌をうたおう花のように 花のように
ただそこに咲くだけで 美しくあれ人はみな 人はみな
大地を強く踏みしめて
それぞれの花 心に宿す例えこの身が果てるとも
戦ぐ島風願いに染まれ花のように 花のように
ただ風に揺れるだけのこの生命人と人 また 人と人
紡ぐ時代に身をまかせ
それぞれの実が撓わなればと花のように 花のように
ただそこに咲くだけで 美しくあれ人は今 人は今
花 /森山直太朗
大地を強く踏みしめて
それぞれの花 心に宿す
作詞作曲 /森山直太朗
必ず後悔するからです